決着は付けない

旅をする木 (文春文庫)

旅をする木 (文春文庫)

死について。

本編である星野道夫さんの文章が本当素晴らしいのですが、今回は敢えて池澤夏樹さんの解説の方について。


この文庫の解説は、星野道夫さんが亡くなって三年が過ぎようとしてる頃に、星野さんと友人だった池澤夏樹さんが書かれたものです。
折り合いのつかない死についてどう向き合うか。それは本当に人それぞれで正解も見付からないことで、そもそも向き合う必要や答えを出す必要があるかもわからないこと。だけどこの解説の中で池澤さんの話していることは亡くした人にとっても亡くなった人にとっても、ひとつの光になると思います。

この本を買ったのは去年の夏頃でした。でも何と無く後半を読んでないまま止まってて、つい何日か前に思い立って読み終えました。日々運命なんてクソクラエとか思ってる私ですが、このタイミングでこの本を読んだということに何かの意思を感じてしまいます。うああ


『彼の死を、彼に成り代わって勝手に嘆いてはいけない』
じゃあ私は彼のために、悲しむこと以外に何が出来るのか。
独りよがりだとわかってるけど、それは、精一杯生きることなのかなって思います。
ここに一つの意思表示